烏口腕筋の作用と役割(起始停止・神経支配・筋トレメニューなどを徹底解剖)

烏口腕筋

烏口腕筋の作用と役割(起始停止・神経支配・筋トレメニューなどを徹底解剖)

烏口腕筋(うこうわんきん)とは肩甲骨の烏ロ突起(うこうとっき)から起始する小さな筋肉のことです。
烏口腕筋は主に肩関節の屈曲や水平内転に関与しますが、いずれも主働筋の補助的な役割しか果たしません。

英語名称

coracobrachialis muscle (コラコブレイキアリス・マッスル)

烏口腕筋の解説

烏口腕筋(うこうわんきん)は肩甲骨の烏口突起(うこうとっき)から起始し、上腕骨の内側中央に停止する比較的小さな筋肉で、この筋自体はあまり大きな力を発揮することはできません。
烏口腕筋は肩関節の屈曲や内転といった動作では上腕筋上腕二頭筋などの補助的な役回りしか果たしませんが、唯一、肩関節の水平内転だけは重要な役目を果たしています。
なので、バーベル・ベンチプレスのように肩関節を水平内転させるようなエクササイズを行うことは烏口腕筋の訓練には最適といえます。
烏口腕筋のストレッチを行うには肩関節の過度に伸展させるか、あるいは過度に水平伸展させることで効率良く引き延ばすことができます。
日常動作の中で烏口腕筋は腕を前に交差させたり、腕を前方に持ち上げる動作などに主に関与します。
支配神経は腕神経叢(わんしんけいそう)の外側神経束の枝である筋皮神経(きんぴしんけい)が司っています。
筋皮神経は烏口腕筋を通過後、上腕二頭筋、上腕筋に分布し、前腕外側皮神経として肘窩(ちゅうか)から前腕外側の知覚を司ります。
なので結帯動作(結帯:手を腰の後ろにまわす動作)で肘から前腕外側に疼痛を訴える場合は烏口腕筋での神経絞扼(しんけいこうやく:神経が何らかの影響で締め付けられた状態のことをいう)を疑う必要があります。
また、烏口突起付近でしばしば疼痛(とうつう)が発症することがありますが、骨に損傷が認められない場合は烏口腕筋の腱の炎症(烏口突起炎)を疑った方が良いかもしれません。

起始

肩甲骨の烏口突起(うこうとっき)

停止

上腕骨の内側中央

烏口腕筋の主な働き

hiji1 kata3 kata2
運動動作においては肩関節屈曲(補助的に働く)、水平内転内転させる作用を持ちます。

烏口腕筋を支配する神経

筋皮神経(C5~C7)

日常生活動作

日常生活では腕を前に交差させたり、腕を前方に持ち上げる動作などに主に関与します。
烏口腕筋には大胸筋三角筋の働きを補助する働きもあります。

スポーツ動作

大胸筋や三角筋と共に野球やテニスのスイング動作や砲丸、やりを投げるといった動作に関与します。

関連する疾患

烏口突起炎(うこうとっきえん)、肩関節周囲炎(かたかんせつしゅういえん)、筋皮神経麻痺(きんぴしんけいまひ)

その他の上腕部の筋肉
上腕二頭筋上腕三頭筋上腕筋肘筋

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都内でスポーツトレーナーとして約20年活動し、その後、カイロプラクターとして約10年活動していました。
現在はフリーランスで活動していて主に健康や運動に関する情報を発信しています。

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