棘上筋の筋力チェック方法|手技テスト・神経リンパ反射・関連臓器を徹底解説

棘上筋の筋力チェック

 

この記事では、棘上筋の筋力チェック方法を解説します。

棘上筋の筋力チェック手順
正しい測定のためのポイント
神経リンパ反射と関連臓器
腱板断裂と棘上筋の関連

棘上筋は「腕を上げる最初の30度の主役」で、ローテーターカフ(回旋筋腱板)の中で最も損傷頻度の高い筋肉。応用キネシオロジー(AK)ではとの関連も研究されています。

棘上筋とは|腱板断裂の最頻発筋

棘上筋の基本情報:

① 起始
肩甲骨の棘上窩

② 停止
上腕骨大結節上部

③ 主な作用
肩関節の外転(特に最初の30度)
上腕骨頭の関節窩への押し付け(動的安定)
外旋補助

④ 神経支配
肩甲上神経(C5-C6)

「外転の開始者」

棘上筋の最重要な役割:

① 0〜30度の外転
外転動作の開始
三角筋の動作軸を確保

② なぜ最初に必要か
腕が下垂位の時、三角筋の収縮方向は上腕骨頭を上に引き上げる方向。棘上筋がまず外転を開始することで、三角筋が効率的に働ける角度を作ります。

「腱板断裂の最頻発筋」

棘上筋はローテーターカフ4筋の中で:
断裂頻度No.1
40歳以上で増加
「クリティカルゾーン」(血流が乏しいエリア)の存在
肩峰下インピンジメントのリスク

そのため棘上筋の機能評価は肩関節障害の早期発見に直結します。

実施方法

p7170081-2(写真1)

①患者は患側上肢を15〜20度外転し、わずかに屈曲させます。このとき肩関節は最大限に内旋(サムダウン)させます。

②術者は患側上肢の肩の上に手を置き、もう一方の手で患側の手関節に手を添えます。(写真1参照)

p71701-2(写真2)

体幹に近づけるようにゆっくり圧を加えます。(写真2参照)

患者さんはその圧に対して外転位を保持することで棘上筋の筋力を評価します。

ワンポイント

正しく測定するためのポイント

テストする棘上筋の同側の肩を固定することで棘上筋の収縮を確認可能
三角筋が活性化(協同筋)するので腕を20度以上、上げないことが重要
サムダウン(最大内旋)を維持
体幹の代償を防ぐ

「サムダウン」の意味

サムダウン=親指を下に向ける肢位

肩関節の最大内旋
棘上筋を選択的に活動
「エンプティカン肢位」とも
三角筋の関与を最小化

「20度以下」の重要性

20度を超えると:
三角筋中部が主役交代
純粋な棘上筋テストにならない
評価精度が低下

注意事項

肩関節の痛みがある場合は中止
過度な圧は避ける
段階的に力を加える

論考

判定方法

この検査を左右両方で実施します。

弱いと感じた側の棘上筋が弱化している可能性があります。

左右差の意味

5%以上の差:要注意
10%以上の差:明らかな弱化
左右差なし:正常

棘上筋弱化が示唆するもの

腱板断裂のリスク
インピンジメント症候群
肩関節の動的不安定性
四十肩・五十肩の前兆
関連臓器(脳)の機能低下(応用キネシオロジー的視点)

「ドロップアームサイン」

棘上筋の完全断裂を疑うテスト:

① 方法
1. 腕を水平まで挙げる
2. ゆっくり下ろす
3. 途中で腕が落ちるか確認

② 陽性
腕が突然落ちる
棘上筋腱板断裂の可能性

③ 注意
整形外科での精査必須
・MRI検査で確定診断

神経リンパ反射点

応用キネシオロジー(AK)における棘上筋の神経リンパ反射点:

① 肩関節の内側から肩前面下への線上
前部三角筋と大胸筋の間
前部三角筋の先端少し下のくぼみ

② 首近くの後頭部縁上
環椎の左右4cm

これらの部位を軽くマッサージすることで棘上筋の機能を活性化できると考えられています。

関連臓器・腺

応用キネシオロジーでは棘上筋はと関連すると考えられています。

「脳」との関連

棘上筋の弱化があるとき:
脳機能の状態の可能性
集中力低下
頭部の血流の指標
頭蓋仙骨療法などとの関連

頚部・頭部との位置関係

棘上筋は肩甲骨上面に位置し、頚部の筋群と密接:
僧帽筋上部と隣接
肩甲挙筋と隣接
頭蓋・頚椎との連動

※注意:応用キネシオロジーの解釈であり、医学的に確立した因果関係ではありません。あくまで参考情報として考慮してください。

腱板断裂と棘上筋|肩関節障害の中心

棘上筋は「腱板断裂の代名詞」と言える筋肉:

「クリティカルゾーン」

棘上筋の腱には血流の乏しい領域があります:

① 大結節付着部の手前1〜2cm
血流が極端に少ない
修復能力が低い
変性しやすい

② 加齢による変化
40歳以降で変性が進行
微細断裂の蓄積
大断裂のリスク増

「肩峰下インピンジメント」

棘上筋特有の問題:

① 構造的位置関係
肩峰下を通る
肩峰と上腕骨に挟まれる位置

② インピンジメント発生
外転60〜120度で挟まれる
「ペインフルアーク」
炎症・損傷を起こす

③ 解剖学的素因
肩峰の形状(鉤型は要注意)
肩峰下スペースの狭さ

「腱板断裂」の進行

棘上筋断裂は段階的に進行:

Stage 1(25歳以下)
腱の浮腫・出血
可逆的
・スポーツ選手に多い

Stage 2(25〜40歳)
線維化・腱炎
部分的な不可逆性

Stage 3(40歳以上)
骨棘形成・腱板断裂
不可逆性
・手術が必要なことも

「夜間痛」が特徴

腱板断裂の典型症状:

夜間に痛みで起きる
患側を下にして寝られない
挙上時の痛み
結帯動作困難

「ドロップアームサイン」と完全断裂

棘上筋の完全断裂では:
外転不能
腕を上に上げられない
「ドロップアームサイン」陽性
手術適応

予防と改善

① 棘上筋エクササイズ
「サムダウン挙上」(軽負荷)
・低重量・高回数

② 周辺筋の強化
ローテーターカフ全般
肩甲骨周囲筋

③ 姿勢改善
巻き肩・猫背の修正
肩峰下スペース確保

④ 適切な使い方
過剰な上方挙上を避ける
・スポーツでの正しいフォーム

⑤ 早期受診
夜間痛・挙上時痛
2週間以上続く場合
整形外科

まとめ

棘上筋の筋力チェックについて解説してきた内容を整理します。

立位で外転15〜20度+わずか屈曲+サムダウン
体幹方向に圧を加えて抵抗を評価
20度以下に維持+サムダウン
同側の肩を固定することで純粋な棘上筋テストになる
左右比較で弱化を判定
ドロップアームサインで完全断裂をチェック
・神経リンパ反射点:前部三角筋下+環椎左右4cm
・関連臓器(応用キネシオロジー):
ローテーターカフ4筋の1つ
外転の開始者(最初の30度)
腱板断裂の最頻発筋
クリティカルゾーン肩峰下インピンジメント

棘上筋の機能評価は肩関節障害の早期発見+腱板断裂予防+四十肩予防に直結します。整体・カイロ・トレーナーの現場で活用される基礎的な評価法です。日常的にもサムダウン挙上+姿勢改善で棘上筋の健康を維持しましょう。

参考文献・出典

・厚生労働省 e-ヘルスネット「肩こり」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

・日本整形外科学会「腱板損傷」https://www.joa.or.jp/

・日本肩関節学会「肩関節疾患」https://katakansetsu.jp/

・日本臨床スポーツ医学会「肩関節障害」http://www.rinspo.jp/

・国際応用キネシオロジー学会「Manual Muscle Testing」https://www.icakusa.com/

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