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長掌筋の作用と役割(起始停止・神経支配・筋トレメニューなどを徹底解剖)
長掌筋(ちょうしょうきん)とは手関節の屈曲の際に作用する筋肉です。
長掌筋の腱は、拳を握りながら手首を曲げたときに手首の中央部に浮き出ます。
英語名称
palmaris longus muscle (パルメィリス・ロンガス・マッスル)
長掌筋の解説
長掌筋(ちょうしょうきん)は前腕部前面の中央部を走行する前腕屈筋群の一つです。
長掌筋は上腕骨の内側上顆から起始し、手掌腱膜に停止します。
解剖学的な位置の関係で橈側手根屈筋(とうそくしゅこんくっきん)、尺側手根屈筋(しゃくそくしゅこんくっきん)がただ単に手首を屈曲するだけではなく、手首を橈屈(とうくつ)、尺屈(しゃっくつ)に関与するのに対し、長掌筋は手首の中央を通過しているため主に手関節の掌屈(屈曲)させる働きに関与します。
またほんのわずかではありますが肘関節の屈曲にも関与します。
その他に手掌腱膜を緊張させ、重い物を保持したときに手のひらの血管や神経を保護する役目も果たしています。
この筋肉が先天的に欠損する例は比較的多く、その欠損率は約4~13%と言われています。
長掌筋をはじめとする橈側手根屈筋、尺側手根屈筋などの前腕屈筋群を鍛えるにはダンベルやバーベルを握って行う『リストカール( 手首の巻き込み) 』が最も有効なエクササイズと言えます。
長掌筋をストレッチするには手関節が背屈(伸展)、肘関節を伸展させることで最大限にストレッチさせることができます。
起始
上腕骨の内側上顆(ないそくじょうか)
停止
手掌腱膜(しゅしょうけんまく)
長掌筋の主な働き
また、わずかですが肘関節の屈曲動作にも関与します。
長掌筋を支配する神経
正中(せいちゅう)神経(C7~T1)
日常生活動作
主に手首を曲げる動作(掌屈)に関与します。また長掌筋は肘関節、手関節をまたがっている二関節筋でもあるので肘関節の屈曲動作にも僅かに貢献します。
スポーツ動作
野球の投球動作やバレーボールのスパイクなどのスポーツに大きく貢献します。
関連する疾患
長掌筋腱断裂(ちょうしょうきんけんだんれつ)、正中神経麻痺(せいちゅうしんけいまひ)、投球障害肘(とうきゅうしょうがいひじ)、屈筋腱損傷(くっきんけんそんしょう)、伸筋腱損傷(しんきんけんそんしょう)、陳旧性肘関節不安定症(ちんきゅうせいちゅうかんせつふあんていしょう)
代表的なウエイトトレーニングとストレッチ
1.前腕屈筋群
【円回内筋・橈側手根屈筋・尺側手根屈筋・浅指屈筋・長母指屈筋・深指屈筋・方形回内筋】
2.前腕伸筋群
【腕橈骨筋・長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋・総指伸筋・小指伸筋・尺側手根伸筋・回外筋・長母指外転筋・短母指伸筋・長母指伸筋・示指伸筋】
3.手指部
【短母指屈筋・短母指外転筋・短小指屈筋・虫様筋・母指内転筋・小指外転筋・母指対立筋・小指対立筋・掌側骨間筋・背側骨間筋】