回外筋の作用と役割(起始停止・神経支配・筋トレメニューなどを徹底解剖)
回外筋(かいがいきん)とは前腕部の後面の外側に位置する筋肉です。
回外筋はその名の通り、前腕部を回外させる筋肉です。
回内筋、方形回内筋は回外筋の桔抗筋として逆の動きをします。
英語名称
supinator muscle (スピネイター・マッスル)
回外筋の解説
回外筋(かいがいきん)は前腕部後面の外側に位置し、橈骨頭を回り込むように覆っている筋肉です。
回外筋は上腕骨の外側上顆(がいそくじょうか)、尺骨の回外筋稜(かいがいきんりょう)、輪状靭帯(りんじょうじんたい)、外側側腹靭帯(がいそくそくふくじんたい)から起始し、橈骨の近位外側面に停止します。
回外筋は名称通り、主に前腕部の回外動作に関与しますが、肘関節の伸展にも貢献します。
回外動作は回外筋以外に上腕二頭筋も関与します。
上腕ニ頭筋は肘関節の屈曲筋でもあるので、肘関節が90°屈曲の状態からの回外動作のときに最も回外筋が作用します。
回外筋の拮抗筋は円回内筋、方形回内筋で回外筋とは正反対の働きをしています。
回外筋はドライパーでネジを締めつけるような動作で使用されます。
また、スポーツ動作で言えばピッチャーがカーブを投げるような動作で大きな役割を果たします。
この筋肉を鍛えるには前腕を回外させるときに抵抗をかけてあげると効率良く鍛えることができます。
ストレッチを行うときには前腕を最大回内させれば筋肉を引き延ばすことができます。
回外筋を貫通する橈骨神経深枝はしばしばこの部分で絞扼(こうやく)され、後骨間神経麻痺(こうこっかんしんけいまひ)が生じることがあります。
これを一般に回外筋症候群(かいがいきんしょうこうぐん)といいます。
起始
- 上腕骨の外側上顆(がいそくじょうか)
- 尺骨の回外筋稜(りょう)、橈骨輪状靭帯(とうこつりんじょうじんたい)、外側側腹靭帯(がいそくそくふくじんたい)
停止
橈骨の近位外側(きんいがいそく)面
回外筋の主な働き
回外筋を支配する神経
橈骨(とうこつ)神経(C5~C7)
日常生活動作
ネジや容器のフタを閉める動作に関与しています。
スポーツ動作
バドミントンのバックハンドの動作などに大きく貢献します。
関連する疾患
回外筋症候群 (かいがいきんしょうこうぐん)、前腕回外拘縮(ぜんわんかいがいこうしゅく)、上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)
1.前腕屈筋群
【円回内筋・橈側手根屈筋・長掌筋・尺側手根屈筋・浅指屈筋・長母指屈筋・深指屈筋・方形回内筋】
2.前腕伸筋群
【腕橈骨筋・長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋・総指伸筋・小指伸筋・尺側手根伸筋・長母指外転筋・短母指伸筋・長母指伸筋・示指伸筋】
3.手指部
【短母指屈筋・短母指外転筋・短小指屈筋・虫様筋・母指内転筋・小指外転筋・母指対立筋・小指対立筋・掌側骨間筋・背側骨間筋】