後脛骨筋の作用と役割(起始停止・神経支配・筋トレメニューなどを徹底解剖)
後脛骨筋(こうけいこつきん)とは下腿部の後面で最も深層にある筋肉です。
後脛骨筋は主に足首を伸ばす動きに働き、足裏を内側に向ける動きにも関与する筋肉です。
英語名称
tibialis posterior muscle (ティビアリス・ポステリア・マッスル)
後脛骨筋の解説
後脛骨筋(こうけいこつきん)は下腿部後面にある最も深層部にある筋肉です。
下腿部の中心を通り、内顆の後方を通過した後に舟状骨、楔状骨、立方骨そして4つの中足骨の骨底へと停止します。
後脛骨筋は主に足関節の底屈や内反と言った動作に関与します。
足関節の回内不安定性がある方では後脛骨筋腱腱鞘炎やシンスプリント(ランニング障害の代表格)が発症しやすく、後脛骨筋、前脛骨筋、長趾伸筋に強い圧痛と緊張を感じます。
この症状は普通1つまたは複数のこれらの筋肉と骨の付着部での炎症によって生じますが、疲労骨折、筋膜炎、コンパートメント症候群が原因で起こることもあります。
短距離走や長距離走を走っている方が発症してしまうケースが多く、ほとんどの場合、筋力、柔軟性、筋持久力の低下が原因になっています。
この筋肉は腓腹筋やヒラメ筋で紹介したようなカーフレイズや抵抗下での内反運動をすると鍛えることができます。
また、膝屈曲位で足と足関節を他動的に極端な外反及び背屈位にもっていくことでストレッチすることができます。
起始
下腿骨間膜(かたいこっかんまく)、脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)の後面
停止
舟状骨(しゅうじょうこつ)、全楔状骨(ぜんけつじょうこつ)
後脛骨筋の主な働き
後脛骨筋を支配する神経
脛骨(けいこつ)神経(L5~S1)
日常生活動作
つま先立ちをする動作に関与します。
スポーツ動作
ランニング、ジャンプなど。足首を伸ばす働きを補助します。
関連する疾患
後脛骨筋腱機能不全(こうけいこつきんけんきのうふぜん)、後脛骨筋腱腱鞘炎(こうけいこつきんけんけんしょうえん)、シンスプリント、足関節果部骨折(そっかんせつかぶこっせつ)、有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)、偏平足障害(へんぺいそくしょうがい)、ハイアーチ(凹足)
【下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)・前脛骨筋・腓骨筋群(長腓骨筋・短腓骨筋・第三腓骨筋)・足底筋・長母趾屈筋・長趾屈筋・長母趾伸筋・長趾伸筋】