目次
内側広筋の作用と役割(起始停止・神経支配・筋トレメニューなどを徹底解剖)
内側広筋(ないそくこうきん)とは大腿部前面の表層部で大腿部の内側にある広筋群の一つです。
広筋群(こうきんぐん)とは大腿四頭筋(だいたいしとうきん)のうち大腿直筋(だいたいちょっきん)を除く、中間広筋(ちゅうかんこうきん)、内側広筋(ないそくこうきん)、外側広筋(がいそくこうきん)を指したものです。
内側広筋は大腿骨粗線(だいたいこっそせん)、内側唇から起始し、膝蓋骨の下部にある膝蓋腱(しつがいけん)を経由して脛骨の脛骨粗面(けいこつそめん)に付着します。
内側広筋の役割は他の広筋群と同様に主に膝関節の伸展ですが、膝蓋骨(パテラ)の安定性にも大きく貢献しています。
特にX脚などで膝が内側に入り込んでしまっている方は内側広筋が外側広筋と比較すると弱い傾向にあります。
外側広筋が強いことで膝蓋骨が外側に”ずれる”ようになり、膝蓋大腿骨不安定や、膝蓋軟骨軟化症、膝蓋骨脱臼の恐れがでてきます。
内側広筋を鍛えるにはレッグエクステンションなどが効果的ですが、特に膝関節伸展位最大の10~20%の間で足のつま先を外側に捻るような動作を加えることでより効果的に内側広筋を鍛えることができます。
内側広筋をストレッチするには膝関節を最大屈曲させると良いのですが、内側広筋への刺激を高めるには股関節をやや内旋させた状態で臀部に踵を付けるようにストレッチをするとより効果的に引き伸ばすことができます。
そのときにもし膝の内側に傷みが伴うようであれば膝関節の”内側側副靭帯”の損傷などを疑う必要があります。
内側広筋も他の広筋群とともに歩行やランニングなどの全てのスポーツ動作や、多くの日常動作に大きく貢献します。
内側広筋の起始停止
起始:大腿骨の転子間線から伸びる大腿骨粗線(だいたいこつそせん)の内側唇(ないそくしん)
停止①:膝蓋骨(しつがいこつ)の上縁及び内側縁
停止②:膝蓋腱を介して脛骨の脛骨粗面(けいこつそめん)に付着
内側広筋の役割と作用
内側広筋を支配する神経
内側広筋を支配する神経は大腿神経(L2~L4)です。
日常生活動作
内側広筋は歩く動作や走る動作、立ち上がる動作をはじめ多くの日常生活動作に関与します。
スポーツ動作
内側広筋はランニングやダッシュ、ジャンプ動作などあらゆるスポーツ動作に大きく貢献します。
関連する疾患
大腿四頭筋拘縮症(だいたいしとうきんこうしゅくしょう)、膝蓋大腿骨不安定症(しつがいだいたいこつふあんていしょう)、膝蓋軟骨軟化症(しつがいなんこつなんかしょう)、膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)、膝関節拘縮(しつかんせつこうしゅく)
代表的なウエイトトレーニングとストレッチ
【大腿四頭筋(中間広筋・外側広筋・大腿直筋)・ハムストリング(半膜様筋・半腱様筋・大腿二頭筋)・内転筋群(恥骨筋・大内転筋・長内転筋・短内転筋・薄筋)・大腿筋膜張筋・縫工筋・膝窩筋】