肋間筋群とは|外肋間筋・内肋間筋の作用と呼吸を支える役割を徹底解説

肋間筋群の作用と役割(起始停止・神経支配・筋トレメニューなどを徹底解剖)

肋間筋群(ろっかんきんぐん)とは外肋間筋(がいろっかんきん)と内肋間筋(ないろっかんきん)の総称です。文字通り肋骨と肋骨の間を走行している筋肉で、英語では「intercostal muscle」と呼ばれます。

肋間筋群は胸郭の拡大と収縮を担う呼吸筋で、胸式呼吸を可能にする主役筋です。普段意識することはほとんどありませんが、私たちが1日約2万回行う呼吸を支える、まさに「縁の下の力持ち」と言える筋肉群です。

この記事では、次のような疑問にお答えします。

外肋間筋と内肋間筋の違い・役割は?
肋間神経痛とどう関係する?
呼吸が浅い人はどうすれば改善できる?
胸郭を広げるエクササイズは?

例え話で言うと、肋間筋群は「アコーディオンを開閉するベルト」のような存在です。胸郭というアコーディオンを広げたり閉じたりすることで、肺に空気を出し入れしているのです。

英語名称

intercostal muscle(インターコスタル・マッスル)

「inter(間の)」+「costal(肋骨の)」で構成される名称で、文字通り「肋骨の間にある筋」を意味します。

肋間筋群の解説

肋間筋群(ろっかんきんぐん)は外肋間筋と内肋間筋の総称です。外肋間筋、内肋間筋は文字通り肋骨と肋骨の間を走行している呼吸筋ですが、その働きは真逆です。

外肋間筋は主に胸郭を広げ、内肋間筋は胸郭を狭くする役割に大きく貢献するので、外肋間筋は大きく息を吸う際に、内肋間筋は息を吐く際に活躍します。

このように肋間筋群は胸式呼吸(きょうしきこきゅう)の際、ガス交換が上手くできるようにするための筋肉です。

なお、安静時の呼吸は主に横隔膜が担いますが、深呼吸や激しい運動時には肋間筋群が大きく活躍します。

各筋肉の詳細につきましては下記からご確認ください。

  1. 外肋間筋
  2. 内肋間筋

外肋間筋と内肋間筋の違い

両者を比較すると違いが明確になります:

外肋間筋
・位置:表層(皮膚に近い側)
・筋線維の走行:上の肋骨→下の肋骨へ斜め前下方
・主な作用:肋骨を引き上げて胸郭を拡大(吸気)
・働く場面:息を吸う時、深呼吸時

内肋間筋
・位置:深層(外肋間筋の下)
・筋線維の走行:外肋間筋と交差する方向(斜め後下方)
・主な作用:肋骨を引き下げて胸郭を縮小(呼気)
・働く場面:息を吐く時、強制呼気時

両者は互いに直交するような走行で、胸郭を巧みに開閉させています。

肋間筋群の主な働き

外肋間筋:肋骨を挙上し、胸郭を拡大させる。
内肋間筋:肋骨を引き下げ、胸郭を狭くする。

それぞれの役割を整理すると:

外肋間筋:吸気時に活発に働き、胸郭を広げて空気を取り込む
内肋間筋:強制呼気時(咳・運動時の呼気・歌唱)に働き、空気を押し出す
両者共通:胸郭の安定化、姿勢保持の補助

安静呼気時(普通に息を吐く時)は胸郭の自然な弾性収縮で空気が出るため、内肋間筋はあまり働きません。激しく息を吐く時のみ内肋間筋が活躍します。

肋間筋群を支配する神経

肋間神経(T1〜T11)

各肋間に対応した肋間神経が支配しています。この神経は肋間神経痛の原因部位として有名です。

肋間神経痛との関係

肋間筋群を語る上で欠かせないのが「肋間神経痛」です。これは肋間神経に沿って胸や脇腹に走るピリピリとした痛みを伴う症状で、現代人にも比較的多い疾患です。

主な原因:
肋間筋の過緊張・トリガーポイント
胸椎の歪み・椎間板障害
帯状疱疹(ウイルス感染)
肋骨骨折・打撲
長時間の不良姿勢

主な症状:
胸や脇腹に走る鋭い痛み・ピリピリ感
深呼吸・咳・くしゃみで痛みが悪化
体を捻ったり横向きに寝ると痛む
左右どちらか片側に集中

肋間神経痛は心臓疾患(狭心症・心筋梗塞)と症状が似ているため、初発時は必ず医療機関で原因を確認することが重要です。

日常生活動作

胸郭を拡大、収縮させ、胸式呼吸を行う際に大きく貢献します。

具体的には:

あらゆる呼吸動作(1日約2万回)
深呼吸・あくび
会話・歌唱
咳・くしゃみ・笑い
姿勢の保持
体幹の捻り動作

肋間筋群が硬くなったり弱化したりすると、呼吸が浅くなり全身の酸素供給が低下します。

浅い呼吸・胸郭が硬い人の対策

現代人の多くは浅い胸式呼吸になりがちで、肋間筋群が硬く、胸郭の動きが制限されています。

① 胸郭を開くストレッチ
両腕を頭上に挙げて体を左右に倒す動作で、肋間筋群を直接ストレッチできます。1日数回、左右15〜30秒キープ。

② 深呼吸エクササイズ
鼻からゆっくり大きく息を吸い、口からゆっくり吐く。1回5秒吸う・5秒止める・10秒で吐くを5〜10回繰り返します。

③ 胸郭リリース
フォームローラーを背中の胸椎部に置いて仰向け、両手を頭の後ろで組み、胸を開きながらゴロゴロ動かす。

④ 呼吸補助筋との連携
肋間筋群は単独でなく、横隔膜・斜角筋・胸鎖乳突筋などと連携しています。腹式呼吸も同時に練習することで、全身の呼吸パターンが整います。

⑤ 姿勢の改善
猫背では胸郭の動きが制限されます。胸を張った姿勢を意識することで、肋間筋群の働きを引き出せます。

関連する疾患

肋間筋群に関連する代表的な疾患・症状:

① 肋間神経痛

最も一般的。胸や脇腹のピリピリした痛みが特徴。

② 肋骨骨折・肋骨骨膜炎

外傷で肋骨が折れると肋間筋にも損傷が及び、呼吸時の痛みを引き起こします。

③ 慢性閉塞性肺疾患(COPD)

呼吸機能の低下で肋間筋群が過剰活動。慢性的な疲労状態になります。

④ 喘息

呼吸困難時に肋間筋群が呼吸補助筋として常時稼働。

⑤ 姿勢関連の胸郭機能低下

猫背・巻き肩で胸郭が固まり、肋間筋群が機能不全に。

よくある質問(FAQ)

Q1. 肋間筋群を鍛えることはできる?
直接的なトレーニングは難しいですが、深呼吸エクササイズ・胸郭ストレッチ・体幹の捻り動作で機能を高められます。歌唱・吹奏楽・水泳など呼吸を意識する活動も効果的。

Q2. 肋間神経痛が起きたらどうすればいい?
まず医療機関で原因を特定することが重要。心臓疾患・帯状疱疹など他の疾患の可能性もあるためです。軽症なら安静・温める・湿布・姿勢改善で改善することが多いです。

Q3. 浅い呼吸が続くとどうなる?
酸素不足・自律神経の乱れ・疲労感・集中力低下・肩こり・頭痛などの原因に。深呼吸を意識的に行う習慣をつけましょう。

Q4. 外肋間筋と内肋間筋を意識的に使い分けられる?
基本的には反射的に自動制御されますが、深呼吸・歌唱・楽器演奏などで意識的に呼吸筋をコントロールする訓練を積むと、肋間筋群の機能が高まります。

Q5. 横隔膜と肋間筋群の違いは?
横隔膜は腹式呼吸の主役で、お腹を膨らませる動作。肋間筋群は胸式呼吸の主役で、胸郭を広げる動作。両者は協働して呼吸を担います。

Q6. 体を捻ると脇腹が痛いのは肋間筋?
可能性はあります。肋間筋のトリガーポイント・筋膜性疼痛で脇腹の痛みが出ることがあります。続く場合は整形外科を受診してください。

まとめ

肋間筋群について解説してきた内容を整理します。

・肋間筋群は外肋間筋・内肋間筋の2つから構成
・肋骨と肋骨の間を走る呼吸筋
外肋間筋=吸気、内肋間筋=強制呼気と作用が真逆
・支配神経は肋間神経(T1〜T11)
肋間神経痛の関連部位
・現代人の浅い呼吸・胸郭の硬さと深く関係
深呼吸・胸郭ストレッチで機能改善

肋間筋群は普段意識しない筋ですが、毎日2万回の呼吸を支える生命維持に不可欠な筋です。浅い呼吸や慢性疲労にお悩みの方は、深呼吸と胸郭のケアから始めてみてください。

その他の肩部・背部の筋肉

三角筋広背筋大円筋ローテーターカフ(小円筋棘上筋棘下筋肩甲下筋)・僧帽筋(僧帽筋上部線維僧帽筋中部線維僧帽筋下部線維)・前鋸筋肩甲挙筋菱形筋群(大菱形筋小菱形筋)】

参考文献・出典

・Wikipedia「肋間筋」https://ja.wikipedia.org/wiki/肋間筋

・日本整形外科学会「肋間神経痛」https://www.joa.or.jp/

・看護roo!「外肋間筋・内肋間筋」https://www.kango-roo.com/word/19994

・厚生労働省 e-ヘルスネット「腹式呼吸・呼吸法」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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