目次
肩甲挙筋の作用と役割(起始停止・神経支配・筋トレメニューなどを徹底解剖)
肩甲挙筋(けんこうきょきん)とは頚部の後部側面に位置する筋肉で深層部に存在する筋肉です。
肩甲挙筋は僧帽筋とともに作用し、主に肩甲骨を引き上げる働きに関与します。
英語名称
levator scapulae muscle (レヴェーター・スキャプュレイ・マッスル)
肩甲挙筋の解説
肩甲挙筋(けんこうきょきん)は後部側面に位置する深層筋で、頚部から肩甲骨にまたがり、後方で僧帽筋、側方で胸鎖乳頭筋に被われる筋肉です。
肩甲挙筋は頚椎C1~C4の横突起(おうとっき)の後結節(こうけっせつ)から起始し、肩甲骨の上角、内側縁上部1/3に停止します。
肩甲挙筋は文字通り、僧帽筋と共に主に肩甲骨の挙上に大きく貢献します。
小胸筋が働き肩甲骨が固定された場合では、左右両側の肩甲挙筋が同時に収縮すると頚部は伸展に働き、左右どちらか一方の肩甲挙筋が働けば頚部は側屈します。
また、小菱形筋とともに下方回旋にも関与することもあります。(この時下角が内側に回ります)
肩甲挙筋は僧帽筋(上部)とともに肩こりの原因となることが多い筋肉と知られています。
また、この筋肉の過剰な攣縮(れんしゅく)は肩甲骨を下方回旋、挙上位でロックし、二次的な肩関節の不安定性や腕神経叢症状(わんしんけいそうしょうじょう)を引き起こすことがあります。
肩甲挙筋はを鍛える場合はショルダーシュラッグ(肩をすくめるような動作)を行うことで鍛えることができます。
また、肩甲骨をリラックスさせる下制位を維持しながら、頭部をストレッチする側とは反対側に約 45°回旋させ、頭部を屈曲させることで最もよくストレッチされます。
起始
頚椎C1~C4の横突起(おうとっき)の後結節(こうけっせつ)
停止
肩甲骨の上角(じょうかく)、内側縁(ないそくえん)上部
肩甲挙筋の主な働き
肩甲挙筋を支配する神経
肩甲背(けんこうはい)神経(C2~C5)
日常生活動作
主に物を持つときなど、肩をすくめる動作に関与しています。
スポーツ動作
床からバーベルを引き上げる動作などに大きく貢献します。
関連する疾患
胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん) 、肩関節不安定症(かたかんせつふあんていしょう)、肩関節周囲炎(かたかんせつしゅういえん)
代表的なウエイトトレーニングとストレッチ
【三角筋・広背筋・大円筋・ローテーターカフ(小円筋・棘上筋・棘下筋・肩甲下筋)・僧帽筋(僧帽筋上部線維・僧帽筋中部線維・僧帽筋下部線維)・外内肋間筋・前鋸筋・菱形筋群(大菱形筋・小菱形筋)】