小胸筋の作用と役割(起始停止・神経支配・筋トレメニューなどを徹底解剖)

小胸筋

小胸筋の作用と役割(起始停止・神経支配・筋トレメニューなどを徹底解剖)

小胸筋(しょうきょうきん)は大胸筋の深部にある筋肉です。
主に肩甲骨を動かす際に関与する筋肉ですが、深呼吸を行う際に吸息筋(外肋間筋ど)と伴に肋骨を持ち上げるときにも大きく貢献します。
小胸筋が単独で動いた場合は、肩甲骨の下方回旋及び下制動作が行われますが、外転動作はわずかにしか関与しません。
しかし、小胸筋と前鋸筋(ぜんきょきん)が共同して動いた場合は肩甲骨の外転動作に大きく関与します。
何故なら前鋸筋が肩甲骨を外転させながらもわずかに上方回旋するのに対し、小胸筋は肩甲骨を外転させながらわずかに下方回旋するからです。

小胸筋症候群

小胸筋症候群

つまり、この二つの筋肉が同時に働くことにより、上方回旋と下方回旋の2つの動きが相殺され、結果として小胸筋は単純な肩甲骨の外転という動きに大きく関与するのです。
小胸筋の柔軟性が失われるなど小胸筋に何かしらの問題があると小胸筋部分で圧痛(あっつう)や放散痛(ほうさんつう)が生じる『小胸筋症候群(しょうきょうきんしょうこうぐん)』を発症してしまうことがあります。

小胸筋症候群は『胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)』に含まれる病態の1つですが、肩関節を外転させたときに症状がより強く現れるため別名『過外転症候群(かがいてんしょうこうぐん)』と呼ばれることがあります。
乳ガンに対する広範囲乳房切除術では小胸筋も一緒に切除されてしまうため、術後に肩甲骨が不安定になってしまうことがあります。
このためこれが原因で肩関節不安定症になってしまうこともあります。

小胸筋の起始停止

起始:第2(あるいは第3)~第5肋骨前面

停止:肩甲骨の烏口突起(うこうとっき)

小胸筋の主な働き

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運動動作においては肩甲帯の下制下方回旋させる作用があります。

小胸筋を支配する神経

内側及び外側胸筋神経(C7~T1)

日常生活動作

足元にある物を拾う動作や激しい呼吸運動が求められたときに関与します。

スポーツ動作

主に野球でボールを投げる、バレーボールでスパイクをうつなどの動作に大きく貢献します。

関連する疾患

小胸筋症候群(しょうきょうきんしょうこうぐん)、胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)、肩関節不安定症(かたかんせつふあんていしょう)

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その他の胸部の筋肉

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当サイトの編集長の佐藤伸一(さとうしんいち)です。
都内でスポーツトレーナーとして約20年活動し、その後、カイロプラクターとして約10年活動していました。
現在はフリーランスで活動していて主に健康や運動に関する情報を発信しています。

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