目次
広背筋の作用と役割(起始停止・神経支配・筋トレメニューなどを徹底解剖)
広背筋(こうはいきん)とは背中の下部から脇の下にかけて広がる人体で最も面積の大きい筋肉です。
主に肩関節の伸展や内転といった動作に関与する筋肉です。
この筋肉が発達すると、いわゆる逆三角形ボデイが形成されます。
英語名称
latissimus dorsi muscle (ラティスィムス・ドースィ・マッスル)
広背筋の解説
広背筋は人体で最も面積の大きい筋肉で、その上部は僧帽筋によって被われています。
下位6つの胸椎の棘突起・腰椎の棘突起(きょくとっき)・正中仙骨稜(せいちゅうせんこつりょう)・および腸骨稜(ちょうこつりょう)から起こり、筋束は外上方へ集中し、大円筋を包み込むように前方へ回り込み、扁平な腱で上腕骨の小結節稜(しょうけっせつりょう)に付着します。
広背筋は本来、体幹部の筋肉に属しますが、大円筋と伴に主に肩関節の内転、内旋、伸展といった動作に関与し、特に伸展動作では最も重要な役割を果たしています。
つまり、懸垂、ロープ・クライミングのように、腕をまっすぐに伸ばした状態から身体を引きつけるという動作では広背筋の貢献度が最も高いのです。
しかし、肩関節下垂位(手が身体にそってダランとしているポジション)では広背筋全体が弛緩していて、このポジションでの広背筋の貢献度は極めて低いという特徴があります。
広背筋を鍛えるにはダンベルやバーベルを用いたローイングやプル・オーバーなどがとても有効です。
筋トレの種目でラット・プルダウン(またはハイプーリー)と呼ばれる種目があるのですが、このラットとは英語で”広背筋”という意味をもつことからラット・プルダウンは広背筋を鍛える最も代表的なエクササイズといえます。
広背筋のストレッチは大円筋と共に肩関節を180°外転位を保持しながら体幹を反対側に側屈すると効果的に行うことができます。
この筋肉が発達すると逆三角形のボディラインを作り上げることができます。
起始
①下位第6(または7)胸椎から第5腰椎にかけての棘突起(きょくとっき)
②正中仙骨稜(せいちゅうせんこつりょう)
③腸骨稜(ちょうこつりょう)の後方
④肩甲骨の下角、第9(または10)~12肋骨、
停止
上腕骨の小結節稜(しょうけっせつりょう)
広背筋の主な働き
広背筋を支配する神経
胸背(きょうはい)神経(C6~C8)
日常生活動作
目の前にあるものを手前に引き寄せるような動作に主に関与します。
スポーツ動作
水泳、柔道やレスリングなどといった引き寄せるすべての運動動作に貢献します。
関連する疾患
脊髄損傷、投球障害肩、肩関節拘縮(かたかんせつこうしゅく)
代表的なウエイトトレーニングとストレッチ
【三角筋・大円筋・ローテーターカフ(小円筋・棘上筋・棘下筋・肩甲下筋)・僧帽筋(僧帽筋上部線維・僧帽筋中部線維・僧帽筋下部線維)・外内肋間筋・前鋸筋・肩甲挙筋・菱形筋群(大菱形筋・小菱形筋)】