大胸筋の筋力チェック方法|手技テスト・神経リンパ反射・関連臓器を徹底解説

大胸筋の筋力チェック

 

この記事では、大胸筋の筋力チェック方法を解説します。

大胸筋の筋力チェック手順
正しい測定のためのポイント
神経リンパ反射と関連臓器
大胸筋の機能と臨床的意義

大胸筋は「胸の前面の主力筋」で、胸を覆う最大の筋肉。肩関節の屈曲・水平内転・内転・内旋に関与し、応用キネシオロジー(AK)では肝臓との関連も研究されています。

大胸筋とは|胸の前面を覆う扇形の筋

大胸筋の基本情報:

① 起始
鎖骨部:鎖骨内側1/2
胸肋部:胸骨・第2〜第6肋軟骨
腹部:腹直筋鞘

② 停止
上腕骨大結節稜

③ 主な作用
肩関節の屈曲(鎖骨部)
肩関節の水平内転
肩関節の内転
肩関節の内旋
呼吸補助

④ 神経支配
内側胸筋神経+外側胸筋神経(C5-T1)

「3つの部位」

大胸筋は3つの繊維群に分かれます:

① 鎖骨部(上部繊維)
肩関節の屈曲主役
・「インクラインベンチプレス」で発達

② 胸肋部(中部繊維)
水平内転主役
・「フラットベンチプレス」で発達
・最大の繊維群

③ 腹部(下部繊維)
内転+下方への動き
・「デクラインベンチプレス」で発達

それぞれを個別に鍛えることで胸全体のバランスが整います。

実施方法

p71701121-1 (1)(写真1)

①患者さんはベッドの上で仰臥位になり患側上肢をベッドの側方健側上肢の手の平を患側側の胸部に置きます。

②術者は患側上肢の手首を把握し、もう一方の手は手の平で患者さんの胸部に置いた手の甲を軽く押さえます。このとき、患側上肢はベッドより高い位置で保持します。(写真1参照)

p71701121-2 (1)(写真2)

③術者は患側上肢をベッドに近づけるよう圧迫を加えます。(写真2参照)

患者さんはその圧に対して抵抗することで大胸筋の筋力を評価します。

ワンポイント

正しく測定するためのポイント

患側の上肢を最大限に内旋させる
手の平を全開させる
術者は手首基部近くを接触
痛みを起こさせないように

内旋の重要性

大胸筋を最大に活動させるには内旋位が必須:
大胸筋の繊維方向と一致
選択的な収縮
他の筋の代償を排除

注意事項

肩関節の痛みがある場合は中止
過度な圧は避ける
段階的に力を加える

論考

判定方法

この検査を左右両方で実施します。

弱いと感じた側の大胸筋が弱化している可能性があります。

左右差の意味

5%以上の差:要注意
10%以上の差:明らかな弱化
左右差なし:正常

大胸筋弱化が示唆するもの

肩関節の機能不全
水平内転動作の制限
姿勢の崩れ
関連臓器(肝臓)の機能低下(応用キネシオロジー的視点)

神経リンパ反射点

応用キネシオロジー(AK)における大胸筋の神経リンパ反射点:

① 右乳首の下
第5〜第6肋骨の間
乳頭線から胸骨の間

② T5〜T6の間
椎弓板(通常は右側)

これらの部位を軽くマッサージすることで大胸筋の機能を活性化できると考えられています。

関連臓器・腺

応用キネシオロジーでは大胸筋は肝臓と関連すると考えられています。

「臓器筋関連」とは

応用キネシオロジー(カイロプラクティック由来)の概念:

特定の筋肉特定の臓器に関連性
・経絡・自律神経・内臓体性反射などが関与
東洋医学の経絡理論との類似性

肝臓との関連

大胸筋の弱化があるとき:
肝臓の機能低下のサインの可能性
解毒能力低下
疲労感・倦怠感
食事・アルコールの見直しも検討

※注意:応用キネシオロジーの解釈であり、医学的に確立した因果関係ではありません。あくまで参考情報として考慮してください。

大胸筋の鎖骨部と胸肋部|部位別の評価

大胸筋は部位別に評価することで、より精密な機能診断が可能:

鎖骨部(上部繊維)の評価

① テスト姿勢
腕を90度屈曲+やや内転
下方への抵抗を評価

② 評価される動作
肩関節屈曲
水平内転(やや上方向)

③ 弱化のサイン
「腕を前から上に挙げる」力の低下
「物を抱える」動作の弱さ

胸肋部(中部繊維)の評価

① テスト姿勢
腕を90度水平外転+内旋
水平外転方向への抵抗を評価

② 評価される動作
水平内転
「ハグ」動作

③ 弱化のサイン
ベンチプレスでのパワー低下
押す動作の弱さ

腹部(下部繊維)の評価

① テスト姿勢
腕を斜め上方
下方+外側への抵抗を評価

② 評価される動作
内転+下方への引き下げ

③ 弱化のサイン
「物を引き下げる」力の低下
クライミング・体操での弱さ

大胸筋の臨床的意義

① 押す動作の主役
ベンチプレス
腕立て伏せ
球技でのパス

② 巻き肩との関連
大胸筋短縮=巻き肩の原因
ストレッチが必須

③ 呼吸補助筋
強制吸気時の活動
過緊張で呼吸の浅さ

④ 女性のバストとの関連
大胸筋の発達バストアップに貢献
・乳腺自体は鍛えられないが、土台となる筋肉が重要

大胸筋ケアの重要性

① ストレッチ
胸を開く動作
ドアフレームストレッチ
巻き肩予防

② 強化トレーニング
ベンチプレス・腕立て伏せ
各部位を意識

③ バランス強化
大胸筋vs菱形筋のバランス
前後の筋バランス

④ 適切な呼吸
腹式呼吸
過緊張の解消

まとめ

大胸筋の筋力チェックについて解説してきた内容を整理します。

仰臥位で肩を最大内旋+ベッドより上に保持
ベッド方向への圧を加えて抵抗を評価
内旋位手の平全開が重要
左右比較で弱化を判定
・神経リンパ反射点:右乳首の下(第5〜第6肋骨間)+T5〜T6椎弓板(右側)
・関連臓器(応用キネシオロジー):肝臓
・大胸筋は鎖骨部・胸肋部・腹部の3繊維群
押す動作の主役
巻き肩・呼吸補助と関連

大胸筋の機能評価は姿勢改善+上肢機能改善+肝臓機能の参考指標として活用できます。整体・カイロ・トレーナーの現場で活用される基礎的な評価法です。日常的にも胸を開くストレッチ+部位別トレーニングで大胸筋の健康を維持しましょう。

参考文献・出典

・厚生労働省 e-ヘルスネット「肩こり」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

・日本整形外科学会「肩関節疾患」https://www.joa.or.jp/

・日本理学療法士協会「姿勢と肩関節」https://www.japanpt.or.jp/

・国際応用キネシオロジー学会「Manual Muscle Testing」https://www.icakusa.com/

・rehatora.net「大胸筋の機能解剖」https://rehatora.net/

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