腹斜筋群の筋力チェック
この記事では、腹斜筋群の筋力チェック方法を解説します。
・腹斜筋群の筋力チェック手順
・正しい測定のためのポイント
・IN腸骨との関連
・くびれ形成・腰痛予防
腹斜筋群は「天然のコルセット」。外腹斜筋+内腹斜筋の2筋で構成され、体幹の回旋+側屈+安定に重要な役割を担います。くびれ形成・腰痛予防に直結する重要な筋群です。
腹斜筋群とは|天然のコルセット
腹斜筋群の基本情報:
外腹斜筋(がいふくしゃきん):
① 起始
・第5〜第12肋骨の外側面
② 停止
・腸骨稜・腹直筋鞘
③ 主な作用
・体幹屈曲
・体幹側屈(同側)
・体幹回旋(対側)
・腹圧調整
④ 神経支配
・肋間神経
内腹斜筋(ないふくしゃきん):
① 起始
・腸骨稜・胸腰筋膜
② 停止
・第10〜第12肋骨+腹直筋鞘
③ 主な作用
・体幹屈曲
・体幹側屈(同側)
・体幹回旋(同側)
・腹圧調整
④ 神経支配
・肋間神経・腸骨下腹神経・腸骨鼠径神経
「対角線の協調動作」:
外腹斜筋と内腹斜筋は対角線で協調:
① 右回旋
・左外腹斜筋+右内腹斜筋
② 左回旋
・右外腹斜筋+左内腹斜筋
これは歩行・走行・スポーツの基本パターン。
「天然のコルセット」:
腹斜筋群の重要な機能:
① 体幹の安定
・腹圧の調整
・姿勢の維持
② 腰椎の保護
・椎間板への負担軽減
・腰痛予防
③ くびれの形成
・「8の字」のシルエット
・美しい姿勢
「腹部4層構造」:
腹部の筋は4層で構成:
・表層:外腹斜筋
・第2層:内腹斜筋
・第3層:腹横筋
・正中:腹直筋
これら4筋が連動して腹圧を調整し、体幹を安定させます。
実施方法

- 患者さんはベッド上で膝関節、股関節を90度屈曲位とし、両手の平を胸の前で交差させ、体幹を左右どちらかに回旋させます。
術者は一方の手を患者の肩にあて、もう一方の手で両足首を押さえます。

- 術者は患者さんの体幹が伸展するように手の平で圧迫を加えます。
患者さんはその伸展方向への圧に対して体幹屈曲+回旋位を保持することで腹斜筋群の筋力を評価します。




ワンポイント
正しく測定するためのポイント:
・骨盤を出来る限り後傾させる
・肋骨が骨盤から離れないようにする
・写真の場合は左外腹斜筋のテスト
・体幹屈曲+回旋位を維持
「骨盤後傾+肋骨を近づける」の意味:
この姿勢で:
・外腹斜筋の繊維方向に合致
・選択的な収縮
・腸腰筋・直腹筋の代償を最小化
「左右の区別」:
左外腹斜筋テスト:体幹を右に回旋
右外腹斜筋テスト:体幹を左に回旋
※外腹斜筋は対側回旋に作用
同時に内腹斜筋もテスト:
内腹斜筋は同側回旋に作用するため、左回旋では左内腹斜筋も同時にテストされます。
注意事項:
・腰痛がある場合は中止
・過度な圧は避ける
・段階的に力を加える




論考
判定方法:
術者の抵抗に逆らえず、ストンと背中がベッドについた場合は外内腹斜筋が弱いと判断できます。
外内腹斜筋が弱いと「IN腸骨」の原因になります。
腹斜筋群弱化が示唆するもの:
・IN腸骨(骨盤前傾)のリスク
・慢性腰痛
・姿勢の崩れ
・くびれの消失
・体幹の不安定
IN腸骨との関連
カイロプラクティック用語の「IN腸骨」とは:
① IN腸骨(Internal Inferior)
・内方下方変位
・骨盤の前傾
・仙腸関節機能不全
② 反対概念:EX腸骨(External Inferior)
・外方下方変位
・骨盤の後傾
③ 腹斜筋との関係
・腹斜筋弱化=骨盤を後傾できない
・結果として骨盤前傾=IN腸骨
「骨盤前傾」の悪影響:
骨盤が前傾すると:
① 腰椎の過前弯
・反り腰
・椎間関節への負担
② 慢性腰痛
・腰部の過緊張
・椎間板への圧迫
③ ぽっこりお腹
・内臓の前方突出
・美しくない姿勢
④ ハムストリングス短縮
・連鎖的な問題
骨盤調整の重要性:
腹斜筋の強化と並行して骨盤調整も重要:
・整体・カイロプラクティック
・骨盤底筋トレーニング
・姿勢改善エクササイズ
神経リンパ反射点
応用キネシオロジー(AK)における腹斜筋群の神経リンパ反射点は該当する内容がありません。
腹斜筋群は体幹の機能筋として、他の筋とは異なるアプローチでケアされます。
関連臓器・腺
応用キネシオロジーにおける腹斜筋群の関連臓器は該当する内容がありません。
ただし、腹腔内の臓器(消化器系全般)と直接的な位置関係があるため、腹斜筋の状態は消化機能に影響を与える可能性があります。
腹斜筋強化とくびれ形成・腰痛予防|現代人の体幹問題
腹斜筋群の機能評価は現代人の様々な問題と関連:
「くびれ形成」の解剖学:
理想的なくびれは腹斜筋群の発達から生まれます:
① 外腹斜筋の発達
・「腹斜筋ライン」
・「8の字」シルエット
② 内腹斜筋の発達
・腹圧の調整
・引き締まったウエスト
③ 腹横筋の重要性
・最深層のコルセット
・「ドローイン」で活性化
④ 腹直筋とのバランス
・シックスパック
・全体的な腹部
「くびれを作るためのトレーニング」:
① ロシアンツイスト
・外腹斜筋+内腹斜筋
・回旋動作
② サイドプランク
・側腹部全体
・体幹安定
③ ツイスティングシットアップ
・屈曲+回旋
・機能的トレーニング
④ ドローイン(腹横筋)
・最深層
・くびれの基盤
「腰痛予防」の重要性:
腹斜筋群は腰痛予防の主役:
① 椎間板の保護
・腹圧の調整
・椎間板への圧軽減
② 体幹安定
・不意な動作に対応
・ぎっくり腰予防
③ 姿勢制御
・骨盤の前後傾調整
・反り腰予防
④ コアの一部
・腹横筋・多裂筋・横隔膜・骨盤底筋群
・連動した体幹支持
「現代人の腹斜筋」問題:
現代生活で腹斜筋は機能低下:
① 長時間座位
・使われない
・機能低下
② 単純な動作
・回旋動作が少ない
・意識的に使わない
③ 運動不足
・体幹トレーニング不足
・筋力低下
④ ストレス
・呼吸の浅さ
・腹圧調整不良
関連する障害:
① 慢性腰痛
・腹斜筋弱化
・体幹安定性低下
② IN腸骨・骨盤前傾
・前述の関連
・連鎖的な問題
③ 反り腰
・腰椎過前弯
・腹圧低下
④ ぽっこりお腹
・腹横筋・腹斜筋の弱化
・内臓下垂
⑤ ぎっくり腰
・急性腰痛症
・腹斜筋の防御反応低下
⑥ スポーツ障害
・腹斜筋肉離れ
・野球・テニス選手に多い
⑦ 呼吸の浅さ
・腹斜筋の呼吸補助
・胸式呼吸への偏り
改善法:
① 腹斜筋強化(最重要)
(a) ロシアンツイスト
・床に座る+膝立て
・体幹を左右に捻る
・20回×3セット
(b) サイドプランク
・横向き+肘とつま先
・30秒〜1分×左右
(c) ツイスティングシットアップ
・仰向け+膝立て
・身体を起こす時に捻る
・15回×3セット
(d) バイシクルクランチ
・仰向け
・反対の肘と膝を近づける
・20回×3セット
② 腹横筋活性化(ドローイン)
・仰向け
・お腹をへこませる
・10秒×10回
③ コアトレーニング
・プランク
・デッドバグ
・バードドッグ
④ 骨盤調整
・整体・カイロプラクティック
・骨盤底筋トレーニング
⑤ 姿勢改善
・骨盤の中立位
・反り腰防止
⑥ 早期受診
・持続する腰痛
・整形外科へ
まとめ
腹斜筋群の筋力チェックについて解説してきた内容を整理します。
・仰臥位で膝股関節90度屈曲+体幹回旋
・体幹伸展方向への圧に抵抗
・骨盤後傾+肋骨を骨盤に近づける
・左右の区別(左回旋=左外腹斜筋+左内腹斜筋)
・背中がストンとつく=弱化
・IN腸骨(骨盤前傾)と関連
・外腹斜筋(対側回旋)+内腹斜筋(同側回旋)の対角線連動
・「天然のコルセット」
・くびれ形成+腰痛予防の主役
・神経リンパ反射点・関連臓器:該当なし
・腹部4層構造の中核
腹斜筋群の機能評価は姿勢改善+腰痛予防+骨盤調整+くびれ形成に直結します。整体・カイロ・トレーナーの現場で活用される基礎的な評価法です。日常的にもロシアンツイスト+サイドプランク+ドローイン+姿勢改善で腹斜筋群の健康を維持しましょう。
参考文献・出典
・厚生労働省 e-ヘルスネット「腰痛」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
・日本整形外科学会「腰痛」https://www.joa.or.jp/
・日本脊椎脊髄病学会「脊椎疾患」https://www.jssr.gr.jp/
・日本理学療法士協会「体幹機能とリハビリ」https://www.japanpt.or.jp/
・国際応用キネシオロジー学会「Manual Muscle Testing」https://www.icakusa.com/










