身体を構成する重要な組織である骨格筋(筋肉)は、その力強い動きを発揮する為に『筋収縮』という活動を行わなければなりません。
この筋肉の収縮様式は、筋肉の変化、力の発揮状態によって下記のように大きく2つに大別することができ、更に等張性収縮と呼ばれる筋活動では2つに分類することができます。
- 等尺性収縮(とうしゃくせいしゅうしゅく)
- 等張性収縮(とうちょうせいしゅうしゅく)
a.短縮性収縮(たんしゅくせいしゅうしゅく)
b.伸張性収縮(しんちょうせいしゅうしゅく) - 等速性収縮(とうそくせいしゅうしゅく)
代表的な筋肉の収縮様式
1.等尺性収縮(とうしゃくせいしゅうしゅく)
等尺性収縮とは力を発揮するときに筋肉の長さを全く変化させることなく行う筋の活動様式のことです。
筋肉の長さを変化させないといっても、全く筋の長さが同じ状態というわけではありません。
筋肉の両端の長さが常に一定の状態に保たれながらも力を発揮している状態のことを表します。
例えば、胸の前で両方の手の平をぐっと押し付けあうときがそれに相当します。
また、等尺性収縮が最大の状態に発揮されることによって、『等尺性最大筋力』と『耐筋力』という2つの筋力が表れることが判明しています。
等尺性最大筋力とは、筋肉を持つ生物が能動的に発揮することができる最大筋力のことで、耐筋力とは、一定の力に対して粘り強さを発揮する事ができる筋力のことです。
このように等尺性収縮は力を入れているにも関わらず、見かけ上の動きは止まってみえることからアイソメトリック・コントラクションと呼ばれることがあります。(アイソは等しい、メトリックは長さという意味です)
2.等張性収縮(とうちょうせいしゅうしゅく)
等張性収縮は等張力性収縮ともよびます。
この等張性収縮には筋肉が自然長(筋肉が縮んだり伸びたりしていない通常の長さのこと)よりも短くなることで力を発揮する短縮性収縮(たんしゅくせいしゅうしゅく)と、逆に筋肉が自然長よりも長くなることで力を発揮する伸張性収縮(しんちょうせいしゅうしゅく)の2種類があります。
例えば手の平にダンベルを乗せてアームカールを行うときの収縮様式は筋肉が短くなりながら力を発揮するので短縮性収縮です。
伸張性収縮は巻き上げたダンベルをゆっくり重力に逆らいながら降ろしていくときの収縮様式のことです。
3.等速性収縮(とうそくせいしゅうしゅく)
等速性収縮は一定の速度で動く物体(レバーなど)に対して力を発揮する収縮様式です。