大胸筋とは|起始停止・作用・効果的な鍛え方とストレッチを徹底解説

大胸筋の作用と役割(起始停止・神経支配・筋トレメニューなどを徹底解剖)

大胸筋の作用と役割を解説する図大胸筋(だいきょうきん)は上半身を形成する筋肉の中で最も強大な筋肉で、英語では「pectoralis major」と呼ばれます。胸板を形成する胸部の代表的な筋肉として、男女問わずトレーニーから絶大な人気を誇ります。

この記事では、次のような疑問にお答えします。

大胸筋の正しい起始停止・作用は?
大胸筋を効率よく鍛えるトレーニング種目は?
部位別(上部・中部・下部)の鍛え分けはどうする?
ストレッチや柔軟性維持の方法は?
巻き肩や肩のケガを防ぐコツは?

スポーツ動作では野球の投球・打撃、日常生活では物を抱きかかえる動作やうつ伏せから起き上がる動作などに関わる、極めて多機能な筋肉です。

また、大胸筋は胸板を形成する筋肉の最も表層部にあり、バストの形などに大きく影響を及ぼします。そのため大胸筋を鍛えるということは男女ともにとても人気があります。しかし大胸筋が発達しすぎたり、大胸筋の柔軟性がなくなってしまったりすると肩関節が前方に引っ張られ、いわゆる巻き肩(肩関節内旋)になってしまい、姿勢が悪くなってしまうこともあります。だからこそ、鍛えるだけでなくストレッチによる柔軟性の維持も大切です。

大胸筋の筋線維の方向性

大胸筋の筋線維の方向性

大胸筋は大きく上部、中部、下部で構成され、どの部分を鍛えるかによっても筋線維の方向性を考慮する必要があります。
例えば大胸筋の上部線維は①のような流れになっているため、ここを鍛えるためにはインクラインベンチと呼ばれる傾斜したベンチを用いて鍛える必要があります。

同様に大胸筋をストレッチする際も筋線維の方向性を考慮する必要があります。大胸筋全体及び中部線維をストレッチするには②、大胸筋上部をストレッチするには①、大胸筋下部をストレッチするには③の流れにそって筋線維を伸ばす必要があります。

大胸筋の起始停止

大胸筋の起始停止を示す解剖図

大胸筋は筋線維の起始によって3つの部位(鎖骨部・胸肋部・腹部)に分けられます。これらが扇状に集まって上腕骨に停止しているのが特徴です。

起始①鎖骨部(上部):鎖骨の内側1/2
起始②胸肋部(中部):胸骨柄、第2〜第7肋軟骨(ろくなんこつ)前面
起始③腹部(下部):腹直筋鞘(ふくちょくきんしょう)の前葉(ぜんよう)

停止:上腕骨の大結節稜(だいけっせつりょう)

これら3つの部位は起始がそれぞれ異なるため、筋線維の走行(方向)も違います。後述する筋トレでは、この走行の違いを意識して角度を変えることで、上部・中部・下部を狙い分けすることができます。

大胸筋の役割と作用

大胸筋の作用を示す図

大胸筋は運動動作においては主に肩関節水平内転屈曲(初期のみ)内転内旋動作などに関与しています。

肩関節の水平内転

水平内転:肩関節90°外転位で上腕部を前方(水平方向)に移動させる動きを水平屈曲または水平内転といいます。

肩関節の屈曲

屈曲:前方に上腕部を挙上する動作を屈曲といいます。
90°を越え更に180°まで屈曲させる動きを前方挙上と呼ぶこともあります。

肩関節の内転

内転:肩関節外転位で上腕部を体に近づける動き(下垂)を内転といいます。

肩関節の内旋

内旋:下垂状態にある上腕部を外側から内側に向かって捻ることを内旋といいます。

なお、部位によって主な作用がやや異なります。鎖骨部(上部)は肩関節の屈曲・水平屈曲に、胸肋部・腹部(中部・下部)は内転・水平屈曲に強く関与します。「腕を前に押し出す」「腕を体の中心に寄せる」という動作が大胸筋の代表的な働きとイメージするとわかりやすいでしょう。

大胸筋を支配する神経

大胸筋の神経支配を示す図

大胸筋を支配する神経は内側及び外側胸筋神経(C5〜C8、T1)です。これらは腕神経叢(わんしんけいそう)から分岐する神経で、鎖骨部は主に外側胸筋神経、胸肋部・腹部は内側胸筋神経が支配しています。

日常生活動作

大胸筋が関与する日常生活動作

大胸筋は日常生活の中では『胸の前で物を抱きかかえる動作』や『うつ伏せの状態から身体を起こしあげる動作』などに関与します。重い扉を押す、ベビーカーや買い物カートを押すといった「押す動作」全般で活躍する筋肉です。

スポーツ動作

大胸筋が関与するスポーツ動作

大胸筋はスポーツ動作において、野球のボールを投げる、ボールを打つといった動作をはじめ、体操、ボクシング、空手、アメリカン・フットボールなどの各種競技においてもとても重要な役割を果たしています。「押す力」「叩く力」「投げる力」の源になる筋肉と言えます。

関連する疾患

大胸筋に関連する疾患

随意性肩関節脱臼(ずいいせいかたかんせつだっきゅう)、肩関節拘縮(かたかんせつこうしゅく)など。また、ベンチプレスなどで高重量を扱う際に、大胸筋が上腕骨付着部で断裂する「大胸筋断裂(だいきょうきんだんれつ)」を起こすこともあります。ウォームアップ不足や無理な高重量は避けましょう。

大胸筋を鍛える筋トレ種目

ここからは大胸筋を効果的に鍛える代表的な筋トレ種目を5つ紹介します。ジムで行う種目から自宅でできる自重種目まで、目的やレベルに合わせて選んでみてください。

目安となる回数・セット数:
・初心者:10回×3セット(フォーム重視)
・中級者:8〜12回×4セット(中重量)
・上級者:6〜10回×4〜5セット(高重量)

①大胸筋トレーニング【バーベルベンチプレス】

バーベルベンチプレス

バーベルベンチプレスとは主に大胸筋(だいきょうきん)を中心に三角筋(さんかくきん)上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)を鍛える筋トレ種目です。バーベルベンチプレスは胸の筋肉を鍛える代表的なトレーニング種目で、スクワット・デッドリフトと並ぶ「ビッグ3」のひとつにも数えられます。

【鍛えられる筋肉】

大胸筋三角筋前部上腕三頭筋烏口腕筋

【バーベルベンチプレスの正しい行い方】

  1. ベンチ台の上に仰向けに寝ます。肩甲骨を引き寄せながらグリップを握ります。このときグリップの握り幅は肩幅の1.5倍程度に広げておきます。
  2. 頭部、肩部、臀部はベンチ台にしっかり固定し、足裏を床に置きます。このとき腰の部分に手のひら一枚分の隙間ができるようにします。
  3. ラックからバーベルをはずし、コントロールしながらゆっくりバーベルを胸の上に下ろします。
  4. 肩甲骨を寄せた状態を保ちながら開始位置までバーベルを持ち上げます。

【バーベルベンチプレスのコツ】

  • グリップの握り方は親指をしっかり巻きつけて行う『サムアラウンドグリップ』を用いるようにします。
  • 運動動作中は手首が過度に反らないようにします。手首が反りすぎてしまうと手首を痛める恐れがあります。
  • 運動動作中は常に肘はバーの真下にくるようにします。肘の位置がずれてしまうと動作中にバランスを崩してしまい思わぬケガをしてしまうことがあります。
  • 運動動作中は常に肩甲骨と肩甲骨をお互いに引き寄せておきます。肩甲骨の寄せが甘いと肩関節や上腕二頭筋の長頭腱を痛めてしまう恐れがあります。
  • 初心者、初級者の方はバーベルを胸の上でバウンドさせないようにします。チーティング(はずみ、反動)を用いることで高重量は挙げやすくなりますが、胸への刺激が少なくなってしまいます。また、このようなやり方を行ってしまうと肋骨や胸骨を痛めてしまう恐れがあります。
  • バーベルを差し上げる際にはしっかりと顎を引き寄せます。バーベルを差し上げるときに後頭部をベンチに押しつけるような動作をしてしまうと、力が十分に発揮できないばかりか首を痛めてしまう恐れもあります。

②大胸筋トレーニング【ダンベルプレス】

ダンベルプレス

ダンベルプレスとは主に大胸筋(だいきょうきん)を中心に三角筋(さんかくきん)上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)を鍛える筋トレ種目です。ダンベルプレスはバーベルベンチプレスに比べてより可動域を広く行うことできます。バーベル比べて扱う負荷は軽いですが、バランスが不安定なために大胸筋以外にも様々な筋肉を鍛えることができます。

【鍛えられる筋肉】

大胸筋三角筋前部上腕三頭筋烏口腕筋

【ダンベルプレスの正しい行い方】

  1. 両手にダンベルを持ちながらベンチの上に仰向けに寝ます。
  2. 頭部、肩部、臀部はベンチ台にしっかり固定し、足裏を床に置きます。このとき腰の部分に手のひら一枚分の隙間ができるようにします。
  3. 肩甲骨を真ん中に引き寄せながら背部をしっかりベンチに固定します。
  4. 胸を張り、肩甲骨を寄せながらダンベルをゆっくりと降ろします。
  5. 肩甲骨を寄せたままダンベルを開始姿勢まで持ち上げます。

【ダンベルプレスのコツ】

  • グリップの握り方は親指をしっかり巻きつけて行う『サムアラウンドグリップ』を用いるようにします。
  • 運動動作中はしっかりと顎を引き寄せておきます。顎を引き寄せておかないと力が十分に発揮できないばかりか首を痛めてしまう恐れもあります。
  • 運動動作中は常に肩甲骨と肩甲骨をお互いに引き寄せておきます。肩甲骨の寄せが甘いと肩関節や上腕二頭筋の長頭腱を痛めてしまう恐れがあります。
  • フィニッシュポジションで腕を閉じるような動作を加えることで、大胸筋上部内側に対して強い刺激を与えることができます。

③大胸筋トレーニング【ケーブルクロスオーバー】

ケーブルクロスオーバー

ケーブルクロスオーバーとは主に大胸筋(だいきょうきん)を中心に三角筋(さんかくきん)を鍛える筋トレ種目です。エクササイズの際に角度のついたケーブルを用いることで大胸筋下部内側部と三角筋前部に強い刺激をもたらすことができます。

【鍛えられる筋肉】

大胸筋三角筋広背筋大円筋

【ケーブルクロスオーバーの正しい行い方】

  1. 頭上にあるケーブルクロスオーバーマシンのグリップを握り、背すじを弓なりにし、胸を少し突き出した姿勢をとります。
  2. このとき足幅は肩幅程度に拡げておきます。
  3. 肩甲骨を寄せながら、肩関節を中心とした描円運動を行います。グリップとグリップが触れ合うぎりぎりまで合わせたら肩甲骨を寄せたまま同じ軌道を通りながら開始姿勢に戻ります。

【ケーブルクロスオーバーのコツ】

  • グリップの握り方は親指をしっかり巻きつけて行う『サムアラウンドグリップ』を用いるようにします。
  • 運動動作中は常に両肘は軽く曲げておきます。(両肘を伸ばしたままこのエクササイズを行うと肘に負担がかかるからです)
  • 運動動作中は常に肩甲骨と肩甲骨をお互いに引き寄せておきます。肩甲骨の寄せが甘いと肩関節や上腕二頭筋の長頭腱を痛めてしまう恐れがあります。
  • フィニッシュポジションでやや腕を斜め前下方に押し出すような動作を行うと大胸筋下部内側部に対しての刺激が強くなります。
  • 運動動作中はしっかりと顎を引き寄せておきます。力が十分に発揮できないばかりか首を痛めてしまう恐れもあります。

④大胸筋トレーニング【ペックデックフライ】

ペックデックフライ

ペックデックフライとは大胸筋(だいきょうきん)を中心に三角筋(さんかくきん)などの筋肉を鍛える筋トレ種目です。ペックデックフライはダンベルプレスに比べてより大胸筋を中心に刺激を与えることができます。

【鍛えられる筋肉】

大胸筋三角筋前部

【ペックデックフライの正しい行い方】

  1. パッドに腕を固定します。腕をパッドに固定したときに上腕部が床と平行になるようにシートの高さを調整します。また、肩関節がマシンの回転軸(カム軸)と並ぶようにします。
  2. 胸を張り、肩甲骨を寄せながらパッドを胸の前で合わせます。フィニッシュポジションでパッドを前に押し込み、大胸筋内側を完全収縮させます。
  3. 肩甲骨を寄せたまま抵抗に逆らいながらパッドを元の位置まで戻します。

【ペックデックフライのコツ】

  • 運動動作中は常に肩甲骨と肩甲骨をお互いに引き寄せておきます。肩甲骨の寄せが甘いと肩関節を痛めてしまう恐れがあります。
  • フィニッシュポジションでやや腕を前方に押し出すような動作を行うと大胸筋内側部に対しての刺激が強くなります。
  • 運動動作中は力が十分発揮できるように顎を引き寄せておきます。
  • パッドが肩より上の位置にあると肩関節に強い負担がかかるので十分気をつけます。
  • このエクササイズは大胸筋を収縮させるだけでなく、大胸筋を伸展させることも重要となります。胸を開くときは大胸筋をエキセントリック収縮(伸長性収縮)をさせながら戻していきます。

⑤大胸筋トレーニング【プッシュアップ】

プッシュアップ(腕立て伏せ)

プッシュアップとは大胸筋(だいきょうきん)を中心に三角筋(さんかくきん)上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)などの筋肉を鍛える筋トレ種目です。プッシュアップは自重、すなわち自分の体重を用いる筋トレ種目で、器具がなくても自宅で手軽に行えるのが魅力です。

【鍛えられる筋肉】

大胸筋三角筋前部

【プッシュアップの正しい行い方】

  1. 両手の幅を肩幅より2握り拳分だけ広くし、ハの字型に手をつきます。
  2. 背すじをしっかり伸ばし、肩甲骨を寄せて構えます。このとき腰が反らないように体幹部をしっかり固定(大胸筋に対する負荷が分散してしまい効果が少なくなるからです)し、両足はそろえておきます。
  3. ゆっくりと両肘を曲げて身体を下ろしていきます。このとき常に肘の真下に手がくるように意識しながら行います。(大胸筋への刺激が逃げてしまうからです)
  4. 胸が床面に軽く触れたら両肘をゆっくりと伸ばし、もとの開始姿勢まで戻ります。

【プッシュアップのコツ】

  • 運動動作中どうしても腰が反ってしまう方は腹直筋を充分強化してからこのエクササイズにトライした方が良いと思います。
  • 肩部や上腕部への刺激を強めるために手幅を狭めてエクササイズを行っても良いでしょう。この場合、肘は外側に広げず少し絞り気味に行います。
  • 運動動作中はしっかりと顎を引き寄せておきます。顎を引き寄せておかないと力が十分に発揮できないばかりか首を痛めてしまう恐れもあります。
  • 運動動作中は常に肩甲骨と肩甲骨をお互いに引き寄せておきます。肩甲骨の寄せが甘いと肩から初動することになり大胸筋に負荷が集中しないだけでなく、肩関節や上腕二頭筋の長頭腱を痛めてしまう恐れがあります。肩甲骨を寄せていない状態で腕立て伏せを行うと、三角筋や上腕三頭筋に刺激が逃げてしまいます。
  • フィニッシュポジションで腕を閉じるような動作を加えることで、大胸筋に対して強い刺激を与えることができます。

大胸筋のストレッチ|部位別の伸ばし方

大胸筋は鍛えるだけでなく、ストレッチで柔軟性を保つことが極めて重要です。大胸筋が硬くなると、肩関節が前方に引っ張られて巻き肩・猫背になり、肩こりや首こり、頭痛の原因にもなります。

①大胸筋全体・中部のストレッチ

壁の横に立ち、片方の腕を肩の高さで壁につけます。そのまま体を反対方向にゆっくり回し、胸の前面が伸びるのを感じます。20〜30秒キープ、左右行います。

②大胸筋上部のストレッチ

壁につける腕の位置を肩より低く(斜め下)に変えます。これで上部の筋線維が選択的に伸ばされます。20〜30秒キープ、左右行います。

③大胸筋下部のストレッチ

壁につける腕の位置を肩より高く(斜め上)に変えます。これで下部の筋線維が選択的に伸ばされます。20〜30秒キープ、左右行います。

④ドアフレームストレッチ

ドアの枠に両腕を肩の高さで当て、足を一歩前に踏み出します。胸全体が大きく伸びるのを感じながら20〜30秒キープ。デスクワーク後の習慣におすすめです。

注意点:ストレッチは反動をつけず、ゆっくり呼吸しながら行います。痛みを感じたら無理せず中止してください。

大胸筋トレーニングでよくある間違いとケガ予防

大胸筋トレーニングで初心者がやりがちな間違いを整理します。これらを避けることで効果を最大化し、ケガを予防できます。

① 肩甲骨を寄せないままプレスする
最も多い間違いです。肩甲骨を寄せて固定しないと、刺激が三角筋や上腕三頭筋に逃げ、肩関節を痛める原因に。

② 反動を使う(チーティング)
高重量を扱えても刺激が逃げ、肋骨や胸骨を痛めるリスクもあります。フォームを優先しましょう。

③ ウォームアップ不足で高重量に挑む
大胸筋断裂のリスクが高まります。軽い重量で10〜15回のウォームアップセットから始めましょう。

④ ストレッチを軽視する
鍛えるだけで柔軟性を保たないと、巻き肩・猫背・肩こりの原因に。

⑤ 同じ部位を毎日鍛える
筋肉は休養中に成長します。中2〜3日空けるのが基本です。

大胸筋の筋力チェック方法

【実施方法】

大胸筋の筋力チェック(写真1)(写真1)

①患者さんはベットの上で仰臥位になり患側上肢をベットの側方へ健側上肢の手の平を患側側の胸部に手の平を置きます。
②術者の患側上肢の手首を把握し、もう一方の手は手の平で患者さんの胸部に置いた手の甲を軽く押さえます。このとき、患側上肢はベットより高い位置で保持します。(写真1参照)

大胸筋の筋力チェック(写真2)(写真2)

③術者は患側上肢をベットに近づけるよう圧迫を加えます。(写真2参照)

【ワンポイント】
正しく測定するためには患者さんは患側の上肢を最大限に内旋させる必要があります。テスト中、痛みを起こさせないようにする必要があるので手の平を全開させ、術者は患者さんの手首基部近くを接触する必要があります。

【論考】

この検査を左右両方で実施します。弱いと感じた側の大胸筋が弱化している可能性があります。

【神経リンパ反射】

  • 右乳首の下、第5〜6肋骨の間の乳頭線から胸骨の間
  • T5〜T6の間、椎弓板(通常は右側)

【臓器・腺】

肝臓

大胸筋を効果的に鍛えるためのポイント

最後に、大胸筋トレーニングの効果を高めるためのポイントを整理します。

① 上部・中部・下部をバランスよく狙う
ベンチの角度を変えることで狙う部位を調整できます。インクライン(傾斜を上げる)で上部、フラットで中部、デクライン(傾斜を下げる)で下部を重点的に鍛えられます。

② 肩甲骨を寄せて固定する
すべての種目に共通する最重要ポイントです。肩甲骨が寄っていないと刺激が三角筋や上腕三頭筋に逃げ、肩のケガの原因にもなります。

③ ストレッチで柔軟性を保つ
冒頭で触れたとおり、大胸筋が硬くなると巻き肩・姿勢悪化につながります。トレーニングと合わせてストレッチも習慣にしましょう。

④ 十分な休養とタンパク質
筋肉は休養中に成長します。同じ部位のトレーニングは中2〜3日空け、体重1kgあたり約1.6gのタンパク質摂取を目安にしましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 大胸筋は週に何回鍛えればいいですか?
筋肉は休養中に回復・成長するため、同じ部位は週2〜3回、中2〜3日空けるのが目安です。毎日鍛えるのはオーバートレーニングになり逆効果になることがあります。

Q2. 大胸筋の上部(鎖骨部)を集中的に鍛えるには?
インクラインベンチプレスインクラインダンベルプレスなど、傾斜をつけたベンチで行う種目が効果的です。上部線維の走行に沿って負荷をかけられます。

Q3. 自宅で器具なしでも大胸筋は鍛えられますか?
はい。プッシュアップ(腕立て伏せ)が代表的です。手幅を広げると大胸筋に、狭めると上腕三頭筋に効きます。足を高い位置に置くと上部に効かせることもできます。

Q4. ベンチプレスで肩が痛くなるのはなぜ?
多くの場合、肩甲骨の寄せが不十分か、バーを下ろす位置が高すぎることが原因です。肩甲骨を寄せて下制し、バーはみぞおち〜乳頭のあたりに下ろすと肩への負担が減ります。痛みが続く場合は専門家に相談してください。

Q5. 大胸筋を鍛えると胸が大きく見えますか?
男性では胸板が厚くなり、たくましい印象になります。女性の場合、大胸筋はバストの土台となる筋肉なので、鍛えることでバストアップやデコルテの引き締め効果が期待できます。

Q6. 左右の大胸筋に差があります。どうすればいい?
利き手や日常の癖で左右差が出ることはよくあります。ダンベル種目を中心に取り入れる、弱い側を先に鍛える弱い側のセット数を1セット多くするなどで徐々に解消できます。

Q7. 女性も大胸筋を鍛えるべき?
はい、特におすすめです。大胸筋を鍛えるとバストの土台が強化され、バストアップ・デコルテの引き締め・姿勢改善につながります。プッシュアップ(膝つきから始めてOK)から始めると無理なく続けられます。

まとめ

大胸筋について、機能解剖からトレーニングまで解説しました。ポイントを整理します。

・大胸筋は鎖骨部・胸肋部・腹部の3部からなり、上腕骨の大結節稜に停止する
・主な作用は肩関節の水平内転・屈曲・内転・内旋
・支配神経は内側・外側胸筋神経(C5〜T1)
・代表的な筋トレはベンチプレス・ダンベルプレス・ケーブルクロスオーバー・ペックデックフライ・プッシュアップ
肩甲骨を寄せることがすべての種目に共通する重要ポイント
・鍛えるだけでなく部位別ストレッチで柔軟性を保つことが姿勢維持につながる
・週2〜3回、中2〜3日空けて、フォーム優先で取り組む

大胸筋は見た目の印象を大きく左右するだけでなく、日常動作やスポーツのパフォーマンスにも直結する重要な筋肉です。正しいフォームを意識して、安全に鍛えていきましょう。

その他の胸部の筋肉

小胸筋鎖骨下筋

参考文献・出典

・慶應義塾大学医学部 解剖学教室「胸部の筋」http://www.anatomy.med.keio.ac.jp/funatoka/anatomy/myologia/A04_4.html

・看護roo!「大胸筋」https://www.kango-roo.com/word/20947

・日本ストレッチング協会「大胸筋の起始と停止・作用と神経支配」https://j-stretching.jp/anatomy/pectoralis-major-muscle

・厚生労働省 e-ヘルスネット「筋力トレーニング」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-04-003.html

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